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The Review by Protopia は、
書籍をきっかけに「より良い未来」を考えていくレビュー・ブログです。
作品の背景や社会とのつながりを踏まえ、
読者が自由に選び、考え続けられる視点を届けます。
New:新着


『世界一やさしいフェミニズム入門』山口真由|200年の歴史をコンパクトに
今でこそ「女性の権利」や「男女平等」という言葉は当たり前に聞きますが、 近代社会の成立と、女性の権利が奪われていく流れは深く結びついていました。 そんな時代に、女性の意識を大きく揺さぶったのがフランス革命です。 「自由・平等・博愛」というスローガンのもとで多くの人が人権を求めて立ち上がりましたが、 イギリスの思想家 メアリー・ウルストンクラフトは その「人」の中に“女性”が含まれていないことに気づき、声を上げました。 ここから、フェミニズムの約200年にわたる歴史が動き出します。 多様化するフェミニズムの現在 ただし、一口にフェミニズムと言っても、その時代や社会のあり方によって主張はさまざま。 現代ではむしろ、多様で一面的には語れない考え方として広がっています。 リベラル・フェミニズム 国家と家族が「公」と「私」に分けられたことで、女性が家庭に閉じ込められた構造を批判。 女性も「個人」として社会に参加し、生きる自由を保障されるべきだと訴える。 マルクス主義フェミニズム 家族と社会(市場)の分離によって、女性の家庭労働が無価値とされていることを問題
10月15日


『中学生から知りたいパレスチナのこと』岡真里・小山哲・藤原辰史|“宗教対立”でなく“構造の暴力”として読む
ニュースでは「宗教対立」や「中東紛争」と語られ、 いかにも私たち日本人には理解しづらい、複雑で遠い問題のように見せかけられてきました。 しかし、本書ではその原因を”徹頭徹尾、ヨーロッパの問題”と断言します。 パレスチナ問題は、旧約聖書やクルアーンの時代にさかのぼって、イスラ...
10月10日


『女性差別はどう作られてきたか』中村敏子|古代から続く“女は劣る”という思想
「うちは平等な家庭だ」と思っていても、 気づかぬうちに“家父長制”のルールに従っていませんか。 夫が外で稼ぎ、妻が家を守る。 決定権はいつの間にか男性の側に傾き、女性は「補助」の役割で男性のケアやサポートをする。 これは自然な役割ではなく、初めは平安時代に導入された中国の律...
9月29日
Past:バックナンバー


『なぜ女は男のように自信を持てないのか』キャティー・ケイ&クレア・シップマン|女性が挑戦をためらう“知られざる壁”
「発言したいけど、間違えたらどうしよう」 「挑戦したいけれど、まだまだ完璧な状況とは言えない」 あなたが女性であれば、 そんなふうに考えて、一歩を踏み出せなかった経験はありませんか。 男性と女性の間に横たわるのは、能力の差ではなく“自信の差”かもしれません。 キャティー・ケイ&クレア・シップマン『なぜ女は男のように自信を持てないのか』は、数々の調査や実例をもとに、 “自信の欠如”が女性のキャリアや人生にどれほど大きな影響を与えてきたかを明らかにします。 自己評価と実際の能力のギャップ 2025年にアメリカで実施された YouGov 調査 では、男女の「自己評価の差」が顕著に表れています。 男性がほとんどの質問項目で「自分は平均以上/優れている」と感じる割合が女性より高く 、 たとえば、 知性を“平均以上”と答えた割合は男性63%、女性49% 。 数学的能力では男性40%、女性25%とさらに差が広がります。 項目 男性 女性 知性(平均以上と回答) 63% 49% 数学的能力(平均以上と回答) 40% 25% しかし、国際的な学力調査(OECD P
9月23日


『私がフェミニズムを知らなかった頃』小林エリコ|それは“個人の弱さ“ではなく“社会構造”
「女の子だから」「男の子なんだから」 幼い頃、気づけばそんな言葉に従ってきた自分はいませんか? 学校では、男子が先に名前を呼ばれ、女子は後ろに並ばされる。 家庭では、母親の背中を見て「女は家を守るもの」と刷り込まれる。...
9月19日


『母性』湊かなえ|母性という幻想と現実を描く、衝撃の社会派ミステリー
「母性」という言葉に、どんなイメージを持っていますか? それが母親に感じられなかったり、自分の子供に与えられずに悩んでいる人が多くいるように思います。 優しさ、無償の愛、全てを包み込んでくれる存在──。 けれどそれは本当に女性に備わった本能なのでしょうか。...
9月15日


『信念に生きる―ネルソン・マンデラの行動哲学』リチャード・ステンゲル |集団で生きるすべをマンデラから学ぶ
「集団主義」と聞くと、同調圧力や息苦しさを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。空気を読んで黙ること、個人の意見を抑えること──そんなイメージが、日本では根強く残っています。 けれど 「集団主義」には、互いを支え合う「共生型」と、従わせてまとまろうとする「統制型」が...
9月14日


『興亡の世界史 人類はどこへ行くのか』大塚柳太郎ほか|西洋史観を超えて、人類の歩みを問い直す
人口爆発、環境危機、宗教対立、民族紛争──。 近年はSDGsの浸透によって、 「社会課題はみんなで協力して解決していくものだ」という認識が 広く定着してきたように思います。 ですが、 私たちが「社会課題」だと信じてきたものは、...
9月13日


『ぜんぶ運命だったんかい』笛美|“おじさん社会“でのジェンダー格差を暴く
気がつけば、おじさんたちの中でポツリと仕事をしていませんか? 決定権を握っているのはいつもおじさんで、 機嫌を伺いながら、必死に資料を説明している自分はいませんか? いつも飲み会では、率先しておじさんにお酌をしていませんか? ...
9月11日


『お姫様とジェンダー』若桑みどり|ディズニー童話に潜む“無意識の刷り込み”
辛い日々も辛抱していれば、いつか白馬の王子様が私を見つけくれて、幸せな結婚ができるはず!これまで多く女性が、それこそが自分の幸せだと、憧れてきました。 けれど、よく考えてみてください。 イケメンでお金持ちで誠実な理想の王子様のような男性が、ひたむきに頑張っている自分を“見つ...
9月10日

About Us
The Review by Protopia は、ミュージカルを制作・興行する株式会社Protopiaが運営するレビュー・ブログです。
演劇制作に向き合うなかで積み重ねてきた誠実な情報収集の過程を公開しながら、社会へのまなざしや多角的な視点を共有します。
ひとつひとつのレビューが、Protopiaの創作の一部であると同時に、読者の皆様がご自身の考えを育てていける場になればと願っています。
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